~41日目 エージェントRことルーニの報告書より~
~定期報告書~
○月×日天気晴れ
階段付近にてターゲットの三匹を発見
ぜっさん追跡中だべ
だども
あの3匹元気無さそうに見えっべ?
仲だけは馬鹿にえぇって話だけんど
ケンカでもしてんかいの
ま えぇさぁ
オラはオラの仕事するだけだぁ
○月×日天気晴れ
階段付近にてターゲットの三匹を発見
ぜっさん追跡中だべ
だども
あの3匹元気無さそうに見えっべ?
仲だけは馬鹿にえぇって話だけんど
ケンカでもしてんかいの
ま えぇさぁ
オラはオラの仕事するだけだぁ
壁にこそこそっと隠れながら、気配を消して後を付ける。
あの3匹も気付いてる様子はねぇ、オラのスニーキングは完璧だべ。
…自己紹介しとくっぺ?
んだ、なんかそんな気分だぁ。
別に寂しくっで独り言言いたいんじゃねぇべよ。
オラは島一番のエージョントだぁ、Rとでも呼んでくんろ。
見ての通りミニデビルだけんど追跡は得意なんだべ、子供だからて馬鹿にすんなぁ?
今日の任務はあの3匹、アルマジロと殺人蜂とミニドラゴンの監視なんだぁ。
鹿親分じきじきのご依頼とあっちゃあ手ぇ抜く訳にはいかねぇべな。
何でもアイツら、急に地下2階に下りたそうなんだべ。
1階ならどこでも鹿親分の目届くんだけんど、2階はそうは行がねぇ。
なんせ怖ぇ動物ばっかだ、下手に入ると晩メシのオカズにされちまうんだべ。怖ぇとこだぁ。
そんでオラみたいな凄腕エージェントの出番なんだべ。
かくれんぼで鍛えたこのスニーキング、絶対見つかんねぇだ。地下2階なんてへっちゃらだぁ。
んな訳だけんど、オラのこと分かったが?
ほんだら仕事に戻るっぺ、あいつらの様子が気になるだ。
「サっちゃんサっちゃん、綺麗な石落ちとるよー。」
「…うん。」
「ぎゃ~ぅ?」
「別に元気なくなんてないってば、心配しないで。」
「でも…。」
「大丈夫だってばっ!!」
…どうも蜂の様子がヘンだべ、どうしたんだかな。
食いすぎか?オラ、胃薬持って来てんけど渡した方がえぇが?
いんや、バレたらマズイんだべ、そりゃ出来ねえだ。
だども心配だなぁ…、先回りして置いとけばえぇがなぁ…。
ツンツン
そんなコト考えてたら、オラの背中がツンツンされただ。
こぉんな忙しい時にどちらさんだべ?
新聞なら間に合ってんだぁ帰ってくんろ。
ツンツンツン
「…うるさいだなぁ、何の用だべ……って…おんやぁ?」
「………」
後ろに居たのは、でっけぇサソリだべさ。
ジャイアントスコーピオンってヤツだな、何か尻尾から緑の汁が滴ってんだ、マジヤバそうだべ。
オラかくれんぼは得意だけんど、監視しながら隠れるなんて器用なマネ出来ねぇんだ。
別に言い訳じゃねぇ、おめえさだって出来ねぇだろ、しょうがねぇだ。
………ひょっとしてオラ、ピンチ?
「んだあぁぁぁぁっ!!」
「え、何?悲鳴?しかも訛ってる?」
「サっちゃん、あっちあっち!ミニデビルの子が居るよ!」
「ホントだ、何で地下2階にミニデビルが…?」
「そんな事言っとる場合やないよっ、早ぅ助けな!」
「ぎゃわぁぁぁっ!!」
オラの悲鳴聞きつけてか、監視対象の3匹が助けに来てくれただ。
た、助かっただぁ…。やっぱり1階の動物同士、助け合いは必要だべな。
…だども、バレたらマズいんじゃながったか?
ど、どうすっべ、オラ!?
このまま逃げるか?
そりゃ礼儀がなってねぇだ、おっかぁに怒られるべ。
だったら一緒に戦うが?
オラかくれんぼは得意だけんど、まほーは苦手なんだべ?
…きっと何も出来ねぇべ、だったら逃げるしか…。
「な、何よこのサソリ…、大きすぎる…。」
「サっちゃん!ミィちゃんとその子連れて先に逃げて、ウチが食い止めるよ!」
「ま、またそんな馬鹿なコトをっ…!嫌よ、今度は私達も一緒に戦うんだから!」
「ぎゃ、ぎゃぅっ!」
3匹は必死になってオラを庇ってるだ。
あのサソリ、3匹全員分よりでけぇのにな。
何であんなちびっ子が勇気持てんだ…?
…しゃあないべ。
覚悟決めただ。オラも、やれる事はやってやる。
「おめぇだっ、まほーぶっ放すから巻き込まれんでねぇべっ!!」
オラだって、ちょっとぐらいの勇気は持ってるハズだべ!
やってやるだっ!!
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